第198回国会 衆議院 法務委員会 第11号

衆議院法務委員会第11号(2019年4月17日)

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168 小野瀬厚

 お答えいたします。

 父母が婚姻中の場合ですと、共同親権ということになりますし、そこは原則として共同監護ということになります。

 ただ、離婚した場合には、現行の民法では、その協議で一方を親権者と定めなければならない、また、裁判上の離婚の場合には裁判所は一方を親権者と定めることになっておりまして、離婚後は、日本の民法では、監護権という意味では単独になるというふうに考えております。

 ただ、それでありましても、先ほど申し上げましたように、親であることには変わりはありませんので、例えば養育費の支払い義務があるということになりますし、また、例えば面会交流が認められる、そういうことで子供に対しては引き続きかかわっていくことになろうかと思います。

169 串田誠一

 私の質問は、お金を払えば養育になるんですかと聞いたんですよ。その答えを答えてください。

170 小野瀬厚

 お答えいたします。

 なかなか、お金だけかと言われますと、先ほど申し上げました面会交流ということもございますので、そういったようなかかわりもやはり親としてはしていくということが期待されているものだと思います。

171 串田誠一

 その面会も、例えば写真を、相手方が一方的に子供の写真を見せる、これは間接面会と言うんですって。それは、子供の成長を見ることはできても、その親は子供を養育しているとは私は思えないんですよ。

 お金を払っているから養育になるんだ、これでいいんですか。

172 小野瀬厚

 お答えいたします。

 面会交流の方法につきましては、どのような方法が子供の利益にかなうのか、こういった観点から判断されるべきものだと考えております。

 したがいまして、個別の具体的な事情に応じて、適切な面会交流が行われることが望まれるというふうに考えております。

173 串田誠一

 それでは、個別な具体例、よくある例を挙げますが、一月に一回、二時間面会ができる、それ以外は養育費を払うしかない、これは養育というふうになるんでしょうか。

174 小野瀬厚

 お答えいたします。

 子供の利益にとってどういった程度のものが養育として望ましいのかというのは、これはまさにケース・バイ・ケースでございます。

 したがいまして、委員御指摘のような形態のものが子供の養育として望ましい適当な形態なのかどうかというのは、そこはやはり、子供の年齢ですとか、それぞれの生活状況といったものを踏まえた個別の事案における判断になろうかと思います。

175 串田誠一

 そうじゃないんですよ。子どもの権利条約を一九九四年に批准しているわけでしょう。そうしたらば、十八条で、共同で養育をすることになっているじゃないですか。個別の具体例じゃなくて、共同で養育をするという条約に批准しているんでしょう、日本は。違いますか。

176 小野瀬厚

 お答え申し上げます。

 今御指摘の児童の権利条約の十八条でございますけれども、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するよう最善の努力を払うことを規定したものと理解しておりまして、離婚後における父母の共同監護の制度の導入については明文の規定はないものと承知しております。

 この条約の条項でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、非監護親が養育費の支払い義務を負っていることなどからいたしますれば、この原則についての認識を確保するための措置はとられているものと考えております。

 その上で、この条約には、面会交流に関する具体的な基準等、具体的な措置については規定はございません。面会交流が認められ得るということも、先ほど申し上げましたとおり、権利条約の十八条に適切に対応していることの根拠となり得るものとは考えておりますけれども、どのような頻度で面会交流を行うのが適切なのかは、やはり個別具体的な事案ごとに判断すべきものであるというふうに考えております。

177 串田誠一

 そうやって勝手に解釈するのはいいんですが、ことしの二月に国連から勧告を受けているわけでしょう、約束を守っていないと。

 これは私が何度も言うと、大臣も余り、耳も痛いのかもしれませんけれども、私が言わなくても、諸外国が特集を組んで、日本は条約を守らない国だ、子供の権利を守らない国だと思って特集を組んで、ずっと放映されているわけじゃないですか。世界じゅうの人たちが、日本は条約を守らない、子供の権利を守らない、こうやって、そのテレビを見て、何て国なんだとほかの国はみんな思っているわけでしょう。ですから、これを変えていきましょうという話を私はずっとしているわけです。

 ただ、私、非常に一つは前向きな回答をきのうの通告の段階で受けたんですが、諸外国がどういうようなことをやっているのかということに関して法務省は今どういう状況であるのかということをお答えいただけないでしょうか。

178 小野瀬厚

 お答えいたします。

 法務省におきましては、離婚後の共同親権制度に関しましてこれまでも外国法の調査等を行ってきたところでありまして、例えば平成二十六年度には、各国の離婚後の親権制度に関する調査研究を委託しております。

 これに加えまして、総理の方から、民法を所管する法務省において引き続き検討させてまいりますとの答弁がありました。その答弁を踏まえた大臣の指示に基づきまして、本年三月二十九日でございますが、外務省に対しまして、離婚後の親権制度や子の養育のあり方等について調査依頼をしたところでございます。

 今回依頼した調査でございますけれども、二十四カ国を対象とする広範なものであります上に、法制度の調査にとどまらず、例えば、親権の共同行使に関して父母の意見が対立して裁判所による調整が必要となる事案のうち、裁判官による判断が難しいのはどのような事例かといったような点ですとか、裁判所による父母の間の調整は例えば平均的にどの程度の時間を要するかといったような、実際の運用状況についても調査することとしております。

 離婚後共同親権制度の導入につきましては、父母の間の感情的な対立のために子供の監護、養育に必要な合意が適時に得られないおそれがあるのではないかというような指摘もあるところでございますが、法務省としましては、今回の調査によって得られます海外における運用状況等も参考にして、引き続き検討してまいりたいと考えております。

179 串田誠一

 山下大臣はやってくれる人だと私は思っていたんですよ。今まで随分失礼な発言をさせていただきましたけれども、そういう前向きなやはり答えを聞いて、本当に私は感動させていただいております。

 共同親権を認めない理由として、一つは高葛藤で話合いができないということと、もう一つはDVの問題がある。確かにそういう問題は私はあると思うんです。

 ただし、そうでない夫婦というのがいる。例えば、今、日本は協議離婚が九割だ。お互い、離婚はしよう、しかし子供たちは一緒に育てていこう、それぞれ時間を分けながらも育てていこう、こういう夫婦を、この夫婦の選択肢を奪うこともないんだと思うんです。あるいは、いや、今度はもう全部任せるよ、申しわけないけれども任せるよ、経済的には負担するから任せるよ、そういう選択肢もあっていいと思うんです。アメリカは、だから、単独親権と共同親権の選択ができる制度になっている。

 ですから、日本は、わざわざ、夫婦がお互い子供を養育しようよといって覚悟を決めた、その二人がいるのに、一人に決める必要は私はないと思うんです。

 この男女共同参画社会基本法も、双方が養育をしよう、それによって女性が社会進出を図っていこう、こういうようなことですから、そこで内閣府が事実婚は入るとか入らないとか、私はこれは入るのが当然だと思うんです。法律婚であろうとなかろうと、親子なんだから子を養育するのは私は当然だと思っておりますので、ぜひ、山下大臣、どんどんと進めていただきたいと思います。

 詳細的な質問は更に続けさせていただこうとは思いますけれども、ともに前向きな、ほかの政党の方もどんどんとこれを取り上げていただいているので、ともに進めて、子供の権利を守るためにやっていきたいと思います。

 ありがとうございました。

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