第185回国会 衆議院 法務委員会 第6号

衆議院法務委員会第6号(2013年11月13日)

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111 新美潤

 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘ございましたように、ハーグ条約、そしてその実施法は、さきの国会で国会から御承認をいただきまして、今、発効に向けて作業しております。

 具体的には、政省令など条約の実施にかかわる運用の細則を定める作業をしておりまして、例えば、政令につきましては十一月十六日までにパブリックコメントを得る予定でございますし、省令については十一月中旬からパブリックコメントを開始する予定でございます。また、最高裁の方の規則もちょうどきょう官報で告示をされるなど、なるべく早い発効を目指して今手続を進めております。

 各国の評価につきましては、おおむね各国から非常に高い前向きの評価を受けております。全てを御紹介することは多分時間の関係でできないと思いますが、例えば、アメリカは在京米大のプレスリリースで、ルース大使の方から、私は、ハーグ条約を批准し同条約の完全な実施を可能とする法案を可決した国会議員の皆様を称賛したい、米国は日本を歓迎するといったような言葉をいただいておりますし、また、カナダ首脳会談、フランス首脳会談等でも、先方首脳から、よい話であり評価するというような言葉をいただいております。

112 三谷英弘

 このハーグ条約締結、そしてこれが形になっていくということによって、これは本当に大きな一歩なんだろうというふうに考えております。

 今まで、日本はいわゆる拉致司法というふうにやゆされることもありましたけれども、子供を奪い合うというような悲しい事態というものが長らく続いていたということを、これはもちろん国際的な子供の連れ去り事案に適用されるものですけれども、国内においても同様な、いわゆる拉致司法みたいなことではなく、しっかりと本当に子供の福祉という観点からの事案の解決というものに進んでいく、その一助となればというふうに考えております。

 その中で、子供の奪い合いというような形になってしまう一つの理由として、共同親権というものが日本において認められていないからではないかというような話もあるところではございます。

 そこで、もう時間も限られているところではございますので、この質問をはしょらせていただきたいというふうに思いますけれども、実は、平成二十三年の民法改正時なんですけれども、附帯決議の中でその話というのが出ております。この附帯決議のうちの七を読ませていただきますけれども、「親権制度については、今日の家族を取り巻く状況や本法施行後の状況等を踏まえ、懲戒権の在り方やその用語、離婚時の親権の決定方法、親権の一部制限の是非、離婚後の共同親権・共同監護の可能性など、多様な家族像を見据えた制度全般にわたる検討を進めていくこと。」というふうにございますけれども、その後、この共同親権についての検討状況はいかがなっておりますでしょうか。

113 谷垣禎一

 ハーグ条約関連法案を国会で通していただきまして、共同親権の議論もその中でいろいろございました。

 それで、今法務省としては、外務省を通じて在外公館等にもお願いをして、各国の実情を集めております。そして、ことし中にある方向を出したい、ことし中にそういう資料を集めました上で、共同親権制度を利用している国に赴いて調査を行うということで、今計画をしているところでございます。

114 三谷英弘

 ありがとうございます。

 ちょうど先ほど高橋みほ委員の方からもありましたけれども、検討というのは検討しないということと同義ではないかというふうな批判も一般的にあり得るところではありますので、ぜひともこの共同親権については検討を行うというふうに、この附帯決議にも書いてあるところでございます、それからもう既に二年たっておりますので、ぜひともしっかりと前向きに取り組んでいっていただけたらというふうに思います。この点については引き続きお願いします。

115 谷垣禎一

 ちょっと、ことし中というのは言い間違いでございまして、今年度中に調査に行くということでございます。

116 三谷英弘

 ことし中でも今年度中でもそれは構いません。ぜひともしっかりと前向きに取り組んでいただければということをお願いさせていただきます。

 残すところ五分になりましたので、またもとの問題に戻らせていただきたいというふうに思うんですけれども、続きまして、いわゆるリベンジポルノというふうに一般に言われておりますけれども、その問題について少しお伺いできればというふうに考えております。

 このリベンジポルノというのは、法的な定義というのはもちろんありませんけれども、一般には、もともと交際関係にあった男女関係というものの中において、交際当時撮影した性的な写真等々を、交際関係が終了後、ある意味嫌がらせ目的でインターネットその他の媒体に公開するというようなことをいいます。インターネットが普及するに伴って、この手の問題というのが多発しているというふうに聞きますし、痛ましい事件の裏にもそういうことが伴っていたというようなことも仄聞するところではございます。

 そこで、伺います。

 こういういわゆるリベンジポルノ、例えば、アメリカのカリフォルニア州では、リベンジポルノを特別に処罰する法律というのが制定されたという例もありますけれども、この問題について、法務省として何らかの法律、立法対策をとるというような予定はございませんでしょうか。

117 谷垣禎一

 今のところ、特にリベンジポルノに対して新しい立法をするということを特別に考えているわけではございません。

 その理由としては、リベンジポルノというのは何かという定義は別としまして、想定されるような問題は大体現行法で裁けるのではないか。

 これは、個別具体的なことにもよりますが、例えば、事実の摘示を伴って、かつてつき合っていた人の性的な写真や何かをインターネットに出せば、それは名誉毀損罪というのもまず成立する可能性が極めて大きいですね。それから、十八歳に満たない子供であれば、児童ポルノ禁止法違反というのが考え得るわけです。それから、刑法百七十五条の、今は舌をかむような名前になりましたが、わいせつ物に関する罪、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪等々も成立をする。したがいまして、大体現行で対応できるのではないかと思っております。

 そこで、今言及されましたカリフォルニアの例、あるいは欧米、アメリカ等の立法例を拝見しますと、例えば、そこでつくった罪の法定刑等々は、先ほど私が引きました日本の法律に比べますとかなり低い。法定刑が高いのがいいのか低いのがいいのかは議論があるでしょうが、相当威嚇効果というか抑止効果というか、そういうのも日本の法律体系はあるのではないかと思っております。

 その上で、何が足りないところがあるかという御議論は、これはあるだろうと思いますが、それは、そういう立法ができる程度に立法事実がある程度集まってこないとなかなか難しいのではないかと思っております。

118 三谷英弘

 そこの、名誉毀損罪等々で対応できるというのは、参議院の予算委員会の方の答弁も実は読んでおりましたので、それは理解しているつもりではございました。

 実は、刑罰法規というものには、いわゆる一般予防と特別予防、そういうような二つの観点がございまして、実際に起こったことを処罰していくということで、同じようなことをするなよというような、個別の、本人に対する予防効果といいますか特別予防効果というのは、もちろんそれはあるんだろうと思うんですけれども、ここで私が立法的に対策をとると言うことは、そういうことをやっちゃいけないんだということを社会に知らしめていくというような普及啓発効果というのは、やはり拭い去ることができないのかなというふうに考えている次第でございます。

 例えば、以前、映画館の中で映画を盗撮するということをやりまして、それをインターネットに上げるというようなことが続発した、そういうときもございました。そのときには、もちろんこれは著作権法で処罰するということができるんですけれども、あえてこういう映画館、劇場の中で盗撮する行為というものを立法的に解決して、それを啓蒙したということによって、映画館の中で盗撮するという事案は格段に減ったというような実際の例があるわけなんです。

 そういう意味で、このリベンジポルノ、今まさに立法事実がどれぐらい集まっているのかというようなことをおっしゃっておりましたけれども、それが集まったということであれば、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいなというふうに考えておりますので、ぜひともその点を御検討いただければということをお願いさせていただきます。質疑の持ち時間が終了いたしましたので、これで終了させていただきたいと思いますけれども、本当にこういった問題で苦しんでいる方々が数多くいますので、御対処のほどよろしくお願いします。

 質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

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