質問第36号 欧州連合欧州議会本会議より、我が国での子の連れ去りに関する決議が採択され、「子どもへの重大な虐待」と強調されたことに関する質問主意書

質問第36号 欧州連合欧州議会本会議より、我が国での子の連れ去りに関する決議が採択され、「子どもへの重大な虐待」と強調されたことに関する質問主意書

提出者 海江田万里

 我が国は、米国務省より所謂ハーグ条約に基づく義務の不履行国に認定されております。国連の児童の権利委員会より、両親が離婚後も「共同養育権」を行使できるよう、勧告されております。そして、本年7月8日、欧州議会本会議は、我が国での親による子供の連れ去りから生じる子供の健康や幸福への影響について懸念を表明し、我が国に対して、ハーグ条約を履行し、「共同親権」を認めるよう国内法の改正を促す決議を賛成多数で採択しました。これらを受けて、以下質問します。

一 2017の人口動態統計の確定数(厚生労働省)によると、およそ三組に一組が離婚し、毎年二十万人以上の未成年の子供が親の離婚を経験します。離婚後の単独親権制度を採用する我が国では、離婚に伴う子供の親権・監護権争いを優位に進めるために、婚姻中における一方の親の同意なしでの子の連れ去り別居とそのあとの親子引き離しが絶えません。往々にして、弁護士が子の連れ去りを指南していることも多く、欧州議会本会議はこれらを問題視しております。第185回国会(臨時会)参質第18号でも、同じことが議論されており、チルドレンファーストの考えで、離婚後の単独親権制度を見直す考えはありますか?

二 子供と会えなくなった別居親の中には自殺を選ぶ者も後を断ちません。兵庫県明石市は地方自治体として、積極的に離婚後の親子関係の維持に取り組んでいます。各地にて、現状を改善したい多くの別居親が、陳情・請願を試みています。少子化対策と同様に政府は、離婚後の親子関係の維持に前向きな見解を地方自治体に向けて示すべきだと考えます。政府の見解を求めます。

三 内閣府は両親揃った育児を重要視しております。例えば、里帰り出産などで母親が産まれたばかりの子供と共に実家に留まり、母親が母方の祖父母と共に子供を独占する、挙句に離婚を主張して離婚となった場合、育児の意思を持つ父親は何もできない実態があります。厚生労働省の児童虐待の定義よりネグレクトについて、所謂児童の権利条約も考慮して、「一方の親の同意なしでの両親揃った育児放棄」を含めることを提案します。政府の見解を求めます。

四 「同居親の別居親に対する嫌悪感や恐怖感と病的に同一化して別居親を疎外ないし拒絶する現象」は、「片親疎外症候群」と呼ばれています。世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD11)には、「Parental Alienation(片親疎外)」が精神及び行動の障害の分類インデックス(QE 52)に記載されているため、子供の疾病にもあたります。厚生労働省の児童虐待の定義より心理的虐待について、児童の権利条約も考慮して、「片親疎外」を含めることを提案します。政府の見解を求めます。

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