第193回国会 衆議院 予算委員会 第11号

衆議院予算委員会第11号(2017年2月14日)

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399 岸田文雄

 御指摘のショーン・デービッド・ゴールドマン、子の奪取の予防及び返還法ですが、ハーグ条約や米国との二国間の枠組み上の義務を履行しない国に対して、国務長官が一定の条件のもとでとり得る措置を定めています。資料のとおりであります。

 そして、開発援助や安全保障関連支援の停止、二国間の要人訪問の延期または中止、こういった措置もその中に規定されていますが、これまで米国が外国に対しこれらの措置を実施した例はないと承知しております。

 そして、我が国が適用される可能性についての御質問ですが、政府としては、我が国はハーグ条約上の義務を真摯に履行していると考えており、また米国による不履行のパターンを示す国にも含まれておらず、同法が二国間の要人訪問及び我が国の安全保障に影響を及ぼすことは考えにくいと理解しております。

400 松浪健太

 ちょっと、大臣がおっしゃった答弁は楽観に過ぎるのではないかなと私は思います。

 この問題、今でも火を噴いておりますし、ただいま私が申し上げましたイタリアにも伝播をしているというようなこともありまして、私は、まだまださすがに安全保障にはいきませんけれども、確かに八段階あって、今までアメリカは二段階までやっているということは伺っております。しかし、四段階では実務、公式、国賓訪問の延期等もありますので、私は、やはりこうしたものは真摯に受けとめて、しっかりとこれを国際ルールにのっとって運用していくということが大事であろうかと思います。

 そして、先ほどのイタリアの例でありますけれども、彼はドイツでお子さんを二人もうけて、日本人の奥さんがいたそうであります。このお子さんを日本に一旦連れて帰って住み出して、住み出すことによって、ここのときに連れ去られたので子供と一切会えなくなってしまった。二〇一五年、ハーグ条約が我が国で発効してからの話でありますけれども、会えない。もしドイツで奥さんが連れ去っていたら、奥さんがドイツで連れ去っていた場合には、この場合にはすぐにドイツにもう一回戻されるということになる。これを継続性の原則というように言いますけれども、我が国はこれがダブルスタンダードだから、イタリアの場合も大変問題になっているわけであります。

 そこで、政府に伺いたいと思いますけれども、この継続性の原則、ハーグ条約においても、そしてまた国内においても同じようにこれは準用されなければならないと私は思いますけれども、御見解を伺います。

401 小川秀樹

 お答えいたします。

 裁判所が親権者や監護者の指定をする際の基準として、親子の心理的な結びつきを重視し、それまでの監護状態を継続させることが子の利益にかなうという考え方があり、御指摘の継続性の原則はこのような考え方を指しているものと思われます。

 もっとも、実際の裁判実務においては、それまでの主としてその子を監護してきた者が誰かということのほか、父母側の事情といたしまして、それぞれの養育能力ですとか子に対する愛情あるいは熱意、居住環境、面会交流に対する姿勢、監督補助者の有無といった点、さらには子の側の事情としまして、その年齢、心情や意向などの諸事情を総合的に考慮して判断がされているものと承知しております。したがいまして、御指摘のような考え方のみによって親権者または監護者の指定がされているわけではないものと認識しております。

 また、ハーグ条約の実施法においても常居所地国に返還するということになっておりますが、この点は、ハーグ条約の考え方に基づいて、子の親権や監護権に関する事項は子のもとの居住国において決定されるべきであるとの考え方に基づいて判断しているものでございます。したがいまして、先ほど御説明しました国内の事案における取り扱いがハーグ条約やその実施法の趣旨に矛盾するものではないと理解しております。

402 松浪健太

 済みません、この問題は私は総理にたしか通告を出していたはずでありまして、長い答弁はちょっと控えていただきたいんです。

 総理に改めて伺いますが、先ほどのイタリア人の例で私は申し上げましたけれども、日本に住み始めてから連れ去られる、そのときのパターンと海外から連れてこられた場合は、ハーグ条約の場合は六週間以内にもとのところに戻すということになっていますけれども、こうしたダブルスタンダード的な継続性の原則を運用するということは私はあってはならないと思いますけれども、端的にお答えください。

403 安倍晋三

 ただいま民事局長から答弁させていただきましたが、裁判所が親権者の指定等をする際には、これまで誰が監護してきたのかという事情だけではなく、個別の事案に即して、さまざまな事情を総合的に考慮して判断がなされているものと認識しています。

 いずれにしても、この問題については、両親が離婚する際にどちらの親を親権者とするのが子の利益に資するかということを最も優先して考慮し、判断がなされることが重要であると考えております。

404 松浪健太

 今の答弁では、先ほどの自殺をされた方も全く報われないなと私は思いますよ。こうした皆さんは本当に、日本の裁判所は特に海外と比べてこの継続性の原則を余りに重視し過ぎるからこうした判決が起きてくるということを私は御認識いただきたいと思います。

 その関係で、次の質問に移りたいと思います。

 実は、子の連れ去りに関する裁判があります。こうした裁判がある中で、先般、私はDVはあってはならないと思いますよ、DVはあってはならないけれども、こうしたDVの女性をかくまうNPOがあるわけでありますけれども、これの講演には内閣府が委託事業で行っているものがあります。

 皆さんにお配りをいたしましたのは、ビジネス誌のリベラルタイムの三月号でありますけれども、後段、後ろから二段落目にありますけれども、昨年行われた相談員研修会でNPOの方が、DVのこうした判決が許せないということで署名活動を行ったと。内閣府主催の講演会で講師がこうした委託事業の直後に、これはある役所の中で行われたことであります。

 私は、こうしたことは委託事業である以上、一度内閣府の方に問い合わせたところ、内閣府の方は最初、木で鼻をくくったような答弁で、時間外だったらいいんだとか言いながらも、二月八日の日から、私が問い合わせた日から今調査をいただいているようでありますけれども、このパターンがどうであれ、これをやった方は内閣府にはやっていないとおっしゃっているらしいですけれども、この事例がどうであれ、一般論として加藤大臣に伺いたいんですけれども、内閣府が委託する事業の後にこうした政治的な活動がなされていいものかどうか。大臣に伺います。

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